再生エネ

地球温暖化対策に欠かせないエネルギーとして注目を集めている再生可能エネルギー

固定価格買取制度とは

再生可能エネルギーの固定価格買取制度」は、再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度です。

これにより再生エネで発電した電気を長期にわたって決められた価格で買い取ってもらえることが保証されるため、新規参入する事業者にとっては発電設備への投資を行いやすくなっています。

青空と再生エネルギー
青空と再生エネルギー

注目すべき点は、法律の付則に「施行から3年間に限って、事業者の利潤に特に配慮して買取価格を決定する」と定められており、2015年6月までに再生可能エネルギーを利用した発電ビジネスに参入すれば、発電した電気を高めの価格で買い取ってもらえるということになっていました。

とはいえ、このことから比較的設置が簡単な太陽光発電において設備認定の申請や導入が激増し、一部の電力会社が再生エネ発電の電力受け入れを中断するなどの問題が生じることになります。

固定化価格買取制度で買い取りの対象となるのは、太陽光、風力、バイオマス、地熱、中小水力(3万kW未満)の5つで、発電された電気は電力会社の送電線につながれ、施設、事業所、住宅などといった電気の利用に使われます。

電力会社が発電事業者から電気を買い取り、その代金を支払うのですが、その代金の中には電気料金に上乗せして徴収された再生可能エネルギー賦課金が充てられます。

ちなみに、固定価格による買取期間の満了時期については、電力の買取を行っている電力会社等から個別に通知され、その後は、自家消費や自由契約による余剰電力の引き続きの買取など新たな余剰電力の活用を選んでいく必要があります。

太陽電池とは?

太陽電池は光起電力効果を応用して電気を作っており、現在実用化されているものとしては、シリコン系や化合物系の半導体が使われています。

物質に光を当てることによって起電力が発生する現象のことを光起電力効果といって、この効果を応用して作るのが太陽電池です。

太陽電池を使用する材料で分類すると、「シリコン系」「化合物系」「有機系」の3つに分けられ、シリコン系は現在商用化され、市場に出回っている太陽電池のほとんどを占めており、単結晶、多結晶、薄膜の3種類が挙げられます。

単結晶は変換効率が高いのが特徴となっていて変換効率20%を超える製品もありますが、製法上コストが高いという問題があります。

単結晶シリコン太陽電池は産業用やメガソーラーといった発電事業用に利用されていて、シャープや三菱電機パナソニックなどが製造しています。

太陽電池
太陽電池
多結晶は製造が用意で安価であるため、市場では最も多く使われているのですが、単結晶と比べると品管効率が落ちるという欠点があり、主に住宅用の発電に利用されていて、京セラやシャープ、三菱電機などが製造しています。

薄膜は基板上に数マイクロメートル以下の極めて薄いシリコンの膜を作製するため、結晶系に比べてシリコンの使用量を1/100程度の削減できるため、低コストでの生産が可能となっています。

半面、変換効率は単結晶の半分程度となっており、産業用や発電事業用などに利用されており、カネカなどが製造しています。

化合物系のCIS太陽電池は最近量産が始まったばかりで、薄膜で省材料などの長所があり、将来高い変換効率が期待できるということから注目を集めており、有機系の色素増大太陽電池有機薄膜太陽電池は大幅な低コスト化が見込まれていて、研究開発が進められています。

再生可能エネルギーに不可欠な産業

再生可能エネルギーの普及拡大に伴い必要となってくるのが、蓄電池とスマートグリッドの2つで、これからの成長に大きな期待が持たれています。

まず、再生エネルギーのうち、太陽光発電風力発電では、天候によって大きな影響を受けるため、安定した出力を得ることができません。

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風力と太陽光

そこで安定した出力をえるために、電力を貯蔵する機能を持った蓄電池が重要な役割を果たすことになり、この蓄電池に発電した電気を貯めておくことで、必要な時に必要な電気を安定的に供給できることが可能となるのです。

また、これまで一般的であった火力発電や原子力発電などが大規模集中型の電源であるのに対し、再生可能エネルギーによる発電は小規模分散型の電源となり、再生エネルギー発電では小さな発電所が広い地域に分散してしまうことから、電力を供給を需要に合わせてきめ細やかに制御する必要が出てきます。

そこで次世代送電網ともいわれるスマートグリッドの登場で、スマートグリッドは電力の供給側だけでなく、需要側も制御することによって、電力網全体の電力供給を効率化・最適化することが可能となります。

洋上風力30カ所に拡大

経済産業、国土交通両省が今後10年で洋上風力発電の全国30カ所への拡大をめざし、再生可能エネルギーを優先活用するルールを作るなど民間が投資しやすい環境を整えるのだそうです。 これまでも有望な再生エネルギーとされながら、なかなか普及しない洋上風力をテコ入れし、年間3~4件の事業認定を行うのだそうですよ。

風力発電
風力

国際的に批判の強い石炭火力発電所の休廃止を進めるうえで、再生可能エネルギーの拡大は欠かすことができず、梶山弘志経済産業相が近く洋上風力を拡大する方針を発表するようで、2021年度から30年度にかけ、毎年100万キロワット程度の洋上風力発電の整備を進め、合計でおおむね原発10基分に相当する1000万キロワットにまで増やす目標を打ち出すのだとか。

そこでまず最初に手掛けるのが民間の再生エネ事業者に投資を促す環境の整備で、洋上風力発電は大型の設備になると高さが200メートルを超えるものもあり、発電設備を効率よく設置するために、国交省が中心となって建設に必要な部材を集中管理する拠点を全国に複数設けるのだそうです。 これに合わせ基地港も整備するようで、まずはインフラを整えることで民間の投資意欲を引き出していくのだそうです。

また完成後の運営も優遇するようで、送電網のルールを見直し、送電量が大幅に増えても洋上風力を制限しない対策を講じ、送電容量が余った場合には再生エネルギーがその枠を利用できる「ノンファーム型接続」を21年から全国で実施、発電量が突然、制限されるおそれを抱える不安定な事業環境を改善するのだとか。

現在、洋上風力発電所福島県、千葉県銚子市北九州市長崎県五島市の沖合に4カ所あって、このうち銚子市沖と五島市沖に秋田県沖の2カ所を加えた4つの海域で特に準備が進んでいるようで、五島市沖は6月から事業者の公募が始まり、残りの3カ所では今秋にも始まる見通しとなっています。 この4カ所の合計の発電容量は100万キロワットを超えており、青森県や北海道などにも有望とされる海域があるようで、もともと四方を海に囲まれる日本は洋上風力の導入余地が大きいとされていて、数千万キロワット分の導入が可能とする民間試算もあります。

しかしながら現状で稼働しているのは2万キロワットにとどまっており、欧州最大級のイギリスでは昨年末で1000万キロワットに迫る勢いであり、韓国も40年までに2500万キロワットに能力を拡充するとの予測も出ています。

石油などのエネルギーのない日本にとっては、自然を活かしたエネルギーの再生に力は注いでいくべきですよね。